人と関わることは、時に楽しく、時にとても疲れるものです。
考え方や価値観の違いによって、思いがけず傷ついてしまうこともあります。私自身、そういった場面に何度も直面してきました。
そして、そんな時に目にするのが「感情を受け流す」「反応しない」「ニュートラルでいる」といった、対人ストレスを軽減するための考え方や方法です。
私もこれまで、そうした本を読み、実践しようと努力してきました。
でも、どうしてもピンとこない。
やってみても、どこか「自分には合わないな」と感じてしまう。
それは、私が感情をコントロールするのが得意ではないからかもしれません。
誰かに話を聞いてもらえば気持ちが軽くなる、というのもよく聞く話ですが、私はそれも得意なほうではありません。
誰かに話す前に、心のどこかで「迷惑じゃないかな」とか「ちゃんと伝わるかな」と気を使ってしまう自分がいます。
そこで、ある時ふと思いついて、まったく逆のことをしてみました。
何か嫌なことを言われたときに、自分の心の声に耳を傾けてみたのです。
「悲しいな」
「傷ついたな」
「つらいな」
そんなふうに、ただ自分の感情を自分で受け止めてみた。
そうしたら、驚くほど心が軽くなったのです。
「しょうがないよね」「そんなこともあるよね」と、自然と客観的な視点が湧いてきて、自分の中で腑に落ちていく感覚がありました。
もしかしたら私は、自分のことを一番理解しているのは自分だと、どこかで信じているのかもしれません。
そんな自分に、ちょっと呆れつつも、でも「それも悪くない」と思えたのです。
人と関わることで疲れたり、傷ついたりすることはこれからもあると思います。
だけど、自分の気持ちに正直に寄り添ってあげることは、きっと誰にでもできる小さな救いになるはずです。
感情を「受け流す」のではなく、「受けとめる」。
そんな向き合い方も、あっていいのではないでしょうか。
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